Nikon Z6IIIのメモリーカードを買う技術

こんにちは、shuheiです。

Nikon Z6IIIで買ったらすぐに撮影に出かけよう!というわけにはいかず、メモリーカードを買わないといけません。撮った写真や映像を記録する必要がありますので。

ではZ6IIIで使えるメモリーカードはどんな種類があるのか?最適解はどれなのか今日は考えていきましょう。

それでは本日もよろしくお願いします。

Nikon Z6IIIで使えるメモリーカードの種類

Z6IIIはダブルスロットを採用しており、二つの記録媒体に写真や映像を記録する事ができます。

利用できる記録媒体は以下の通りです。

上記5種類から選べるのですが、好きな組み合わせができるわけじゃありませんね。それぞれスロットにあった記録メディアを使います。

それぞれ見ていきましょう。

CFexpressカード・XQDカード

メインのスロットとして使われるスロットです。名称は違いますがXQDカードの上位互換にあたるのがCFexpressカードだと考えておけば今のところ大丈夫。

どちらも同じ規格のスロットに差し込む事ができ、SDカードと比べて読み書き共に高速です。

CFexpressカードにはType Bとカッコ書きがありますが、SDカードと同じサイズ同じ規格のType Aと区別する為です。

XQDカードよりもCFexpressカードの方がより読み書きが高速ですが、その分高価な傾向にあります。

SD・SDHCSDXCカード

SDカードはとても規格が複雑で、スペックもまちまちで非常に難解ですが、SDとSDHCとSDXCは全部同じものと考えて大丈夫です。違いはそれぞれ規格上の容量レンジが違うだけなので、必要な容量を元にSDカードを選べば、結果的にそれがSDカードだったりSDXCカードだったりしますので、気にする必要はないです。

 

Z6IIIのスロットの片方はCFexpress、もう片方はSDなので、それぞれから一枚ずつ最適なものを選びたいですね。

CFexpressカードのスペック

CFexpressカードまたはXQDカードを選ぶに当たって考慮したいスペックを紹介します。CFexpress、XQD共通です。

容量

64GB128GB256GB512GBなど、SSDでも馴染みのあるサイズ感から650GB1TB2TBと大容量のものも選択できます。

書き込み速度

XQDで150450MB/sに対しCFexpressでは8002000MB/sを超えるものもある為圧倒的にCFexpressが速いことになります。

4K60p、120pなどのハイフレームレートの動画や秒間20コマを超えるような連続撮影の時により高速なメモリーカードを使えたほうが有利です。

読み出し速度

XQDで440MB/s程度、CFexpressでは17003400MB/sとこちらもやはりCFexpressが圧倒的に速度が出ます。こちらはPC取込時の速度に影響が出ます。

SDカードのスペック

CFexpressカードと違ってSDカードのほうが記載されている項目が多く若干難解です。

容量

CFexpressカードと同様で、128GB256GB512GBあたりがボリュームゾーンかなと思います。

UHS-I or UHS-II

結論から言うとUHS-IIの方が転送速度が速く高価です。UHS-IとUHS-IIでカードの接点の数が違い、UHS-IIの方は端子が8本多く上下に2列の構成になっています。そのためカメラ側もUHS-IIに対応していなければなりませんが、Z6IIIはUHS-IIに対応しています。

仮にカメラ側がUHS-Iにしか対応していなくとも、後方互換性があるのでUHS-IIのSDカードを使うことはできます。ただし速度はUHS-I相当にスポイルされてしまいます。

書き込み速度

UHS-Iで90MB/s程度、UHS-IIだと260MB/s程度とCFexpressには及びませんが、UHS-IIの方がUHS-Iと比較して3倍ほどの速度が出ます。

読み出し速度

UHS-Iで100MB/s程度、UHS-IIで270MB/s程度です。こちらはXQDにも及びませんが、やはりUHS-IIの方が速いことがわかります。

ビデオスピードクラス

書き込み速度や読み出し速度はあくまで最高速度であって、最低速度を保証するものではない為、このビデオスピードクラスを見て書き込みの安定性を考える必要があります。ビデオスピードクラスはV6V10V30V60V90があり、それぞれ6MB/s〜90MB/sの最低保証がされています。

似たようなスペックにClass10などと書かれているスピードクラスというものもあるですが、こちらは動画撮影が普及する以前に作られたスペックで、10MB/sの最低保証を示しClass10が最高値なので、あまり参考にする意味はありません。

メモリーカードの運用方法を考える

ではこれらのメモリーカードを実際にZ6IIIで運用するにあたって、いくつかのパターンで考えてみます。

写真撮影メインでシングルスロットとして利用する場合

UHS-I、128〜256GBのSDカード1枚で充分な可能性があります。

 

静止画撮影の場合、Z6IIIは画素数が24MP、電子シャッターで約20コマ/秒程度なので、そこまで高速なメモリーカードは必要ありません。

プリキャプチャーは120コマ/秒ですが、APS-CフォーマットかつJPEGのみなので、ファイルサイズがフルフレームフォーマット非圧縮RAWと比較して小さい為、やはりそこまで高速なメモリーカードは不要です。

その為シングルスロットでいいのならUHS-IのSDカード1枚で充分です。

 

容量も128GBで2000〜3000枚は余裕で撮影できるので、一日中撮影してもよほど高速連射を多用しなければ充分と言えます。

それだけ撮影するようならむしろバッテリーの方が先に枯渇しそうです。

写真撮影メインでバックアップとしてダブルスロットを利用する場合

XQDカードとUHS-IのSDカードで容量はどちらも128GB程度で良さそうです。

 

ダブルスロットですとCFexpressカード(またはXQDカード)とSDカードを1枚ずつ用意する以外の選択肢がありません。

静止画撮影であれば先ほどのシングルスロットの時と条件は同じなのでメインカードにXQDを追加するだけです。XQDならばUHS-IIのSDカードより高速に読み書きができます。

他のカメラや今後の発展性を加味して、予算を少し積めるならCFexpressカードにしてもいいかなと思います。

その場合でも例えばPrograde DigitalのCFexpress4.0 Cobaltのようなフラグシップを用意する必要はないでしょう。映像撮影は余力が大切ではありますが、8K60pのような超高画素高フレームレートの映像を撮影するのでもない限り不要です。

映像撮影メインでRAW動画を記録する場合

1700MB/sクラスのCFexpressカード、256GB以上があれば安心です。

SDカードは不要です。Z6III、Z8やZ9もそうですが、映像はバックアップが取れないからです。

4K60pのRAW動画撮影はかなりファイル容量が大きくなってしまうのでスロットの数よりも複数枚CFexpressカードを持って、容量がいっぱいになったらポータブルSSDに転送してすぐに使えるようにしておいた方がいいでしょう。

大容量のCFexpressカードを複数枚持つより1つのSSDの方が容量単価が安く済みます。

おすすめのメモリーカード

実はNikonからZ6IIIで推奨されているメモリーカードの一覧があるので確認してみましょう。

search.nikon-image.com

この中から特におすすめしたいメモリーカードを見ていきます。

Nextorage B1Proシリーズ CFexpressカード

2019年に発足した比較的若いメーカーですが20年ほどソニーのメモリーストレージ技術を支えたスタッフを中心に創業されたNextorageのCFexpressカードです。

Nikonの推奨スペックはB1Proというシリーズ。Nextorageからも8K 120pでの撮影にも使用可能と謳われています。

165GBから1TBを超える容量まで用意されていますが、静止画メインであれば165GBでも十分でしょう。RAW動画撮影をする場合は少し容量の大きめな660GB1,330GBを用意するといいかもしれません。

SanDisk Extream Proシリーズ SDカード

www.westerndigital.com

SDカードといえば真っ先に思い浮かぶメーカーがこのSanDiskだと思います。

SanDiskアメリカに本拠地を置き、1988年に設立したかなり古いメモリー製品を取り扱うメーカーです。

SDカードは基本的に静止画のバックアップ目的で利用することが多いと思うので、UHS-Iで十分かなと思います。容量も128GBから256GB程度であれば長時間のタイムラプス撮影も十分対応できます。

まとめ

静止画撮影はUHS-I SDカードで、映像撮影は少しだけ速めのCFexpressカードがあれば安心です。

Z6IIIに使えるメモリーカードは結構種類も多く、選び方も多種多様なケースがありとても複雑ですが、少しでもメモリーカード選びの参考になれば幸いです。

それでは今日はこのあたりで。