【作例あり】SONY FE 14mm GMとお別れする技術

こんにちは、shuheiです。

先日Nikon Z6IIIを迎えたことによっていよいよTECHART TZE-01というEマウントのレンズをZマウントのカメラで使う為のマウントアダプターが使えなくなってしまいました。

その為星景写真撮影の為に所持していたSONY FE 14mm F1.8 GMを手放しました。

星を撮るにはとても良いレンズだったのでこの機会にレビューをしてきっちりお別れをしようと思います。

 

ありがとう14mm GM。さようなら14mm GM

 

それでは今日もよろしくお願いします。

SONY EマウントのレンズをNikon Zシリーズのミラーレスカメラで使う技術

レンズ交換式カメラはレンズを交換して撮影することができます。でもこの世の全てのレンズが使えるわけでは残念ながらありません。

僕がメインで利用しているNikon Z6IIIも基本的にはNikonTAMRONが発売しているZマウントのレンズしか付けて撮影できません。しかしこのZマウントのカメラにマウントアダプターを付けることでSONY αシリーズのミラーレスカメラで使うことを想定されたEマウントのレンズをNikonのカメラで使うことができるようになります。

僕はTECHARTというメーカーのTZE-01というマウントアダプターを使ってこのFE 14mm F1.8 GMを使っていたのですが、このマウントアダプターの後継機にあたるTZE-02が発売されたことでマウントアダプターのファームウェアアップデートが止まってしまったんですね。

ファームウェアアップデートというと通常カメラのファームウェアを想像しますが、このマウントアダプターにもファームウェアが存在します。

このファームウェアが古いとカメラ本体にレンズが認識されなかったりオートフォーカスや絞りが動かず、レンズとして基本的な機能が使えないということが起こります。

 

で、以前使っていたNikon Z6では問題なく使えていたマウントアダプターですが、Nikon Z6IIIに買い替えたことで使えなくなってしまったんですね。

後継機であるTZE-02やMegadapという別のメーカーのETZ21 Proに買い替えることでレンズを使い続けることが出来たのかもしれないのだけど、以下の理由から一旦マウントアダプターを利用した他マウントレンズの使用をやめることにしました。

理由1 今後もマウントアダプターが使えなくなる事態は起こりうるから

マウントアダプターはあくまでサードパーティのアクセサリーメーカーがある種裏技的に別マウントを使える手段を用意したもの。マウントアダプターの後継機の発売やファームウェアのサポート中止などは今後も起こりうる事態です。

仮に今回新しい別のマウントアダプターを買ってきたとしても、将来的に同じことがいつかは必ず起きる為、今回マウントアダプターの買い替えは見送りました。

理由2 星景写真撮影で14mmをあまり使わなくなった

Nikon Z6, SONY FE14mm F1.8 GM, 10.0s, F2.0, ISO 3200

このレンズは14mmという超広角レンズでありながら、最小絞り値F1.8というめちゃくちゃ明るいことで星景写真撮影に非常に向いているんです。

ただ最近は正直あんまり超広角の星景写真撮らなくなっていて、35mmくらいの標準域に片足突っ込んだ焦点距離での写真が多くなってきてるんですよね。

14mmだと当然画角が広く、いわゆる超広角風景写真としての星空になるのですが、その分天の川や星座は小さくなってしまいます。

最近は夏の天の川の醍醐味である蠍座の心臓アンタレス付近の暗黒帯は24〜50mmくらいではっきり見れる写真が好みになってきました。

Nikon Z6, SONY FE14mm F1.8 GM, 13.0s, F2.0, ISO 2000

また、これは星景写真撮影界隈の流れもあるかなと思います。ここからは少し余談になります。

星景写真撮影は他のジャンルの撮影に比べて撮影環境が極端に暗く、かつ星の周回運動のせいでシャッタースピードを極端に遅くしにくいという特性があり、ファインダー越しに見ても肉眼では星や星雲が見えにくいからです。

デジタルカメラになり、撮影後にすぐに写真を確認できるようになったり、背面液晶での拡大表示をすることでピント精度が上がったり、写真現像の自由度が上がったことでたくさんの人が手軽に星景写真撮影を楽しむことができるようになりました。

しかし、依然として暗い環境でシャッタースピードを上げにくいという状況は続き、天体の周回運動に合わせてカメラを回転させる機構を持つ赤道儀を使った星野撮影の分野と違い、地上と空を両方適切な露出で撮影することが求められる星景写真では風景写真という特性も相まって、20mm以下の超広角域での撮影が主流だったと思います。中でも一眼レフ時代に発売されたSIGMA 14mm F1.8 DG HSM | Artは超広角でありながら単焦点、F1.8と革命的なレンズだったようです。

www.sigma-global.com

画角が広くなればなるほど、時間経過による星の周回運動の影響が小さくなります。つまり望遠のレンズを使うとほんの少しの時間でも星が画面上を大きく移動してしまうということで、シャッタースピードを長くし露出を稼ぐには広角レンズの方が望遠レンズと比べて有利なわけです。

しかしここ数年、画像編集の技術の向上、赤道儀の小型化や低価格化が進み、地上風景と星空を別々に撮り、一枚の画像として仕上げる新星景写真という分野が台頭してきました。

camelog.com

これによって、そもそも動かない地上風景も、赤道儀に載せて周回運動に合わせて撮影を続けられる星空もシャッタースピードを長くして露出を稼ぐことができるようになり、同様に望遠レンズでも周回運動を気にすることなく星景写真を撮影できるようになったのです。

もちろん依然として超広角レンズでの星景写真も人気がありますが、時代は常に新しい表現を求める為、標準域に近い星景写真の人気も高まってきているというわけです。

加えて昨今のミラーレスカメラはかなり高感度にしてもノイズが目立ちにくくなり、LightroomLuminar Neoといった現像ソフトがAI技術を用いた非常に高性能なノイズリダクションを搭載している為、これまでISO3200程度で撮影していた環境でも、ISO6400、12800とISO感度を上げて撮影できるようになっているのも影響しているのではないかと考えています。

ちなみに一般的な撮影では、白飛びより黒潰れの方が画像編集で色を出しやすいと言われており、露出オーバーで撮るよりは露出アンダーの方が歩留がいいとされることが多いですが、星景写真撮影においてはどちらかというと逆で、少し露出オーバー気味で撮影しておいた方がノイズが少ない高画質な写真が撮れるような気がしています。

当然、金星や光害といった予期せぬ光が白飛びしてしまうケースはあるので注意が必要ですが、写真撮影時はコントラスト低めの露出オーバーな写真を画像編集で暗くする方が天の川の暗黒帯や風景のディテールが出やすいような気がします。

余談おわり。

まとめ

今回Mapcameraにて売却を考えているSONY FE 14mm F1.8 GM。これまでたくさんの星景写真撮影を楽しむことができたのはこのレンズのおかげです。

この記事を書いているのが8月。そろそろ夏の天の川の時季が終わってしまい、来年2月3月くらいまではいずれにせよ僕の星景写真撮影はお休みになりそうです。オリオン座や双子座流星群など、撮影の楽しみ自体はあると思いますけどもね。

それでは今日はこの辺りで。