こんにちは、shuheiです。
みなさん、標準レンズ使っていますか?
Nikonからは24mm付近を広角端とした標準レンズが6本も発売されています。
その中でもズーム倍率が高いNIKKOR Z 24-120mm f/4 SとNIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VRは何かと比較されがちかなと思います。
特にZシリーズのカメラを購入した時、一緒に購入するレンズとしてどれを選んだらいいかと悩まれる方も多いのではないでしょうか。
先日Nikon Z6IIIを購入した際、キットレンズとして同梱されたNIKKOR Z 24-120mm f/4 Sを入手しました。
発表当時からずっと欲しいと思っていた標準レンズF4通しレンズなのですが、半年ほど所有しましたので、NIKKOR Z24-200mm f/4-6.3 VRと比較し、どちらを買うべきか検証したいと思います。
それでは本日もよろしくお願いします。
- 6本の標準レンズ
- 番外編
- どの標準レンズを選ぶか?
- NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR
- NIKKOR Z 24-120mm f/4 S
- スペック比較
- スペックから分かる部分の比較
- スペックからは分かりにくい部分の比較
- 結論
6本の標準レンズ
まずはNikon純正Zマウントの標準ズームレンズ6本をさらっと紹介します。
NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
小三元レンズと呼ばれるF4通しのレンズ。S-Line。Z6、Z7のキットレンズ。
NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S
大三元標準レンズ。この中で最も値段が高く大きく重たい。当然のようにS-Line。
NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR
この中で最も望遠高倍率。唯一手ぶれ補正有り。Z5のキットレンズ。
NIKKOR Z 24-50mm f/4-6.3
この中で最も低倍率だが軽く小さい。Z5のキットレンズ。
NIKKOR Z 24-120mm f/4 S
標準域より少しだけ望遠までズームできる。S-Line。
NIKKOR Z 28-75mm f/2.8
廉価版大三元。広角端が28mmスタートで望遠も5mmだけ大三元に比べて長い。
番外編
NIKKOR Z 28-400mm f/4-8 VR
悩んだがいくら28mmスタートで標準域をカバーしていたとしても望遠端400mmを流石に標準レンズとして紹介できないと考え番外に。
これは望遠も撮れる標準レンズポジションの24-200の逆で標準域も撮れる望遠レンズ。
ここでレンズスペックについて軽く触れておきますね。
S-Line
高品質なレンズ。非S-Lineと比べて設計指針、品質管理などで高い基準が設けられている。簡単に言うとすごくハイクオリティなレンズ。
VR
Vibration Reductionの略。レンズ内手ぶれ補正が付いていることを意味する。
フルサイズのZシリーズカメラは今のところ全てのカメラでボディ内手ぶれ補正が搭載されている為、レンズに手ぶれ補正が付いていることはあまり意味がないが、APS-Cセンサーサイズのカメラには今のところ全てのカメラに手ぶれ補正がないので、レンズ内手ぶれ補正が付いているレンズを使うメリットがある。
その他
今回紹介するレンズにはついていないがTC、MCが付くことがある。また特別なレンズはスペック名ではなく個別にレンズ名が付けられることもある。
どの標準レンズを選ぶか?
紹介したとおり、Nikonからはたくさんの標準レンズがラインナップされているが、よく悩まれがちな二つのレンズ、 NIKKOR Z 24-200mm f/4 VRとNIKKOR Z 24-120mm f/4 Sを比較し、どっちを買うべきか結論を出します!
NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR
2020年7月発売。当時は標準レンズといえば24-70の小三元か大三元しか選択肢がなく、Fマウント時代の28-300のような高倍率ズームもなかった為、これ一本でだいたい何でも撮れるトラベルレンズとして人気が出ました。
望遠レンズというと大きくて重たいイメージもあるのですが、標準大三元と比べると軽く小さいレンズで持ち運びにもあまり苦にならないところも良いところ。反面、口径が小さく開放F値が大きい為、暗所に弱かったり、最短撮影距離が長いのでテーブルフォトが難しいといったデメリットもあります。
NIKKOR Z 24-120mm f/4 S
2022年1月発売。元々は24-105として開発発表されていたがすくすくと育って今では立派な120mmにまで成長しました。
前述の通りNikonは標準レンズが大量にラインナップされており、中でも24-70 f/4については重量と大きさにデメリットはあるもののほぼ上位互換となってしまいました。
スペック比較
簡単にスペック比較をしてみます。
項目 | Z24-200 | Z24-120 |
---|---|---|
焦点距離 | 24mm-200mm | 24mm-120mm |
レンズ構成 | 15群19枚 | 13群16枚 |
最短撮影距離 | 0.5m-0.7m | 0.35m |
手ぶれ補正 | あり | なし |
最大絞り | F4-F6.3 | F4 |
絞り羽根枚数 | 7枚 | 9枚 |
フィルター径 | 67mm | 77mm |
寸法 | 76.5mm(最大径)×114mm | 84mm(最大径)×118mm |
質量 | 570g | 630g |
価格 | 約120,000円 | 約154,000円 |
スペックから分かる部分の比較
まずはシンプルに焦点距離が違います。焦点距離だけで比較をすれば24-200mmが24-120mmを完全に内包している為、望遠が必要な場面では24-200mmを選択することになります。
重量や大きさはこちらも24-200mmに分があるものの、個人的にはそれを理由に選択するほどの差はないんじゃないかなと思います。
F値に関してもF4とF6.3を比較してどうしてもF4を選びたいと思うほどの明るさの差はないかなというのが僕の感想です。F2.8とF6.3と言うのならF値による比較が成立するかなと思いますが。
最短撮影距離は24-120mmの方が短く35cmまで寄れる一方、24-200mmは広角で50cm、望遠だと70cmも離れる必要があります。テーブルフォトでは24-120mmが圧倒的に有利。F値の観点からも室内やお店での撮影が多くなりそうなら24-120mmが選ばれるのではないかと思います。ただ先ほども挙げましたがF6.3がF4になったところで劇的に明るくなるとは思っていません。素直にISO上げればいいかなと考えています。
ボケ量に関しても被写体との距離や背景との距離も関係してくるので、そこまで極端に大きく違わないですね。
手持ちのカメラがZ50やZfcならば24-200mmの手ぶれ補正が助かりますが、あんまり組み合わせる機会というか組み合わせたいと思う場面はなさそうですよね。
スペックからは分かりにくい部分の比較
個人的にZ6IIIに付けた時、見栄えがいいのは24-120mmかなと思います。
それによって撮れ高が変わることはほとんどないはずですがそういう基準で選んだっていいはずです。
絞って光芒を綺麗に見せたいなら絞り羽根の枚数が24-120mmが9枚と多い方が有利かもしれません。
描写に関してはS-Lineである24-120mmの方が精細で、収差も少なく、フレアゴーストも出にくい傾向にありますが、一目見て分かるほど24-200mmが劣るかと言うとそんなことはないですね。
ものすごく拡大して中央と周辺を比較すれば「言われてみれば」程度にはわからないこともないですが、こちらも決定打になるほどの差分は無いと思っています。
結論
NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VRです。
どちらか一本しか手に入らないのならこちらを選びましょう。
理由は、24-120mmを手にしてからも出番が多かったのは24-200mmだからです。
これはもちろん僕の撮影スタイルに依るところが大きいと思います。
結局望遠域が必要になる場面が多く、24-200mmを持ち出す機会が圧倒的に多かった。
サイクリングでは同行者を撮影する機会を考えると望遠の方が有利だし、水族館のショーも望遠が必要になります。
逆に望遠が不要なソロ登山や風景を撮ると決め切った時は24-120mmが活躍しますが、価格差3万円超のハードルを超えてまで入手する必要があるかというと正直微妙かなぁという印象です。
とはいえすごく好きなんです24-120mm。
やはりS-Lineは伊達じゃない。分解能が高く細部まで非常にシャープでよく写るレンズです。
ゴーストフレアも少ないので逆光耐性も強い。登山で撮影する人は是非一緒に登ってほしいレンズです。
それでは今日はこのあたりで。