SLIK Iブラケットで縦位置写真撮影をする技術

こんにちは、shuheiです。

スマートフォンで写真を撮ったり見たりすることが当たり前になり、縦位置撮影された写真も以前に比べて多くなりました。

 

手持ち撮影の時はただカメラを縦に構えて撮ればよいのですが、三脚に設置して撮影しようとするときに活躍するのが今回紹介するIブラケットです。

今回は使い方や良い点悪い点含めてお話しできればと思います。

 

それでは本日もよろしくお願いします。

 

縦位置撮影の強い味方

三脚にカメラを縦位置で設置する方法は大きく分けて3つあります。

雲台を真横に出す

1つは三脚の雲台を90度傾け、カメラの底面に取り付ける方法です。

新しくカメラに付けるものもないので手軽で身軽です。

L型プレートを使う

雲台に直接設置する方法は手軽ではありますが、雲台の構造によっては設定に制限がかかったり、バランスが悪くなって三脚自体が倒れやすくなる欠点もありました。

そこでL字型のプレートをカメラにあらかじめ取り付けておいて、カメラ向かって右側のプレートを雲台に乗せる方式がオーソドックスな縦位置撮影時の三脚設置方法となりました。

雲台に直接設置した場合の欠点がなくなり、横位置と縦位置の変更もしやすくなりました。

 

ですが欠点もありました。

  • 大きな金属プレートでカメラ重量が重たくなる
  • ケーブルの取り回しがしにくくなる
  • カメラごとの専用品が必要(汎用品もなくはない)

 

その欠点を補うように出てきたのが3つ目の選択肢です

SLIK Iブラケットを使う

雲台プレートとほとんど同じ大きさ構造のプレートを付けるだけなので、多くのカメラで使い回しができるようになりました。

それ故にL型プレートと比較して非常に低価格です。

カメラ右側を邪魔しないのでケーブルの取り回しもしやすく、バリアングルモニターも邪魔をしません(取り付けにコツはある)。

プレートも小さいので重量増も最小限に済みます。

SLIK Iブラケット

改めてIブラケットを紹介します。

SLIKから発売されているIブラケット。

  • サイズ:18×97×38mm
  • 重量:90g

最近のフルサイズミラーレスはどんどん重量が増していますが、プラス90gは割と大きいですね。800gのカメラ本体に対して1割以上の重量増です。

それでもL型プレート(約132g)ほどではありません。

 

アルカスイス互換で横位置でも縦位置でもアルカスイス互換の雲台に取り付け可能です。

 

ネジは1/4インチネジなので、まずほとんどのカメラに取り付けることができます。

取り付け方

僕が持っているNikon Z6IIIを例に取り付けをしてみます。

まずカメラ本体を痛めないように養生をします。

黒のパーマセルテープをブラケット接触部分に貼り、その上からIブラケットを付けます。

その時少しコツがあって、写真のようにツライチになるように付けてしまうとバリアングルモニターが干渉してしまうので、少しレンズ側にIブラケットをずらして固定します。

1/4インチネジの位置が少し後退している

左右もカメラに固定するネジとプレートの位置決めネジとで合わせて20mmほどずらせるので、少しだけカメラ右側(背面から見ると左側)から縦位置固定部分が出るようにします。

使用感

まずは通常の横位置。

一般的なアルカスイス互換プレートと何も変わりません。

 

次に縦位置。

小さな出っ張りなのでちゃんと設置できるのかなと心配してましたが、何の問題もないです。

剛性も不安はありません。

あまりにもレンズが重たい場合はレンズ側の三脚座を使ったほうが良いのは他のプレートを使う時も一緒です。

 

バリアングルモニターもこの通り。

雲台の構造次第ですが、バリアングルモニターとクランプネジが干渉しないように、中心から少し左に設置しています。

良い点

  • 縦位置固定撮影が手軽
  • 剛性が高い
  • L型プレートと比較して軽量
  • L型プレートと比較して小さい
  • ケーブルと干渉しない
  • バリアングルモニターと干渉しない
  • 価格が安い

悪い点

  • エッジが鋭い
  • RRS社製雲台と相性が悪い
  • 1/4インチネジ穴が無い
  • 縦位置固定撮影が手軽

この辺りはIブラケットだからというより、この商品の最大の目的なので、それはそう、という感じ。

剛性が高い

剛性が高いとは曲げたり捻ったりする力に強く、形状を保っていられるということ。

要するにカメラブレが起こりにくい。

L型プレートはケーブルに干渉させたくないのでプレート部分をカメラから少し離して付けるのですが、そうするとブレはしないものの、三脚に付けたカメラを手で押すと、そこそこプレートがしなるんです。

もちろん、こんな力が掛かることはマレです。

 

Iブラケットの場合、ケーブル干渉を考えなくていいのでカメラから離して付けるという必要もなく、しっかり剛性が出ていますね。

L型プレートと比較して軽量

小さいので当然ですね。

L型プレートと比較して小さい

カメラ用のドライバッグに入れたり、狭い防湿庫にしまう時も出っ張りが小さいのは有利でしかない。

ケーブルと干渉しない

そこにプレートがないので当然です。

バリアングルモニターと干渉しない

干渉しないような工夫が必要ではありますが、干渉しません。

価格が安い

L型プレートは汎用品もあるにはありますが、カメラ専用品を使うのが基本です。

その為複数の金型を開発する手前、商品価格が高くなる傾向にありますが、Iブラケットは逆にカメラ専用品がなく、汎用品しかありません。

金型も1つで良いので、結果的に販売価格が抑えられています。たぶん。L型プレートが1万円前後で購入できる一方で、Iブラケットは定価でも約6,000円、実売価格だと5,000円台で購入できます。

エッジが鋭い

触って怪我をするほどではないですが、角がかなり鋭いです。

RRS社製雲台と相性が悪い

こっちの方が重要かも。RRS(REALLY RIGHT STUFF)社製の雲台と相性が悪いようです。

 

その為、Iブラケット RというRRS製品との互換性を謳った商品が発売されています。

しかもこっちはエッジが鋭くない!

価格も同程度。

なので今後は買うならIブラケット Rを買いましょう。

 

というわけで、Iブラケット Rとの比較もしてみました。

Iブラケット R

早速こちら購入して確認してみます。

既存のIブラケットと見た目はほとんど変わりません。

写真左側の縦位置設置面がIブラケット Rは少し滑らかになっています。既存のIブラケットはかなり尖っていて、手が傷つくほどではないですがそれなりに角が立っている。

立てて見てみましたが右のIブラケット Rの方がやはり丸みがあります。

脱落防止ネジがIブラケット Rにしかないのは分かりやすくするためにIブラケットからは外してある為です(そしてカメラにつける時はIブラケット Rも脱落防止ネジを外して付けます)。

 

次に雲台設置時を見てみます。

まずこちらが既存のIブラケットの方です。

そして下の写真がIブラケット Rを雲台に設置したところ。

ほんの少しだけ雲台との設置面に厚みが出たかな?

なんとなくIブラケット Rの方が隙間が大きいように見えますが、固定力はどちらも問題ありませんでした

ちなみにこちらの雲台はLeofotoLH-25です。

手元にRRSの雲台がないので未確認です、すみません。

 

ただ、これでこれまでデメリットとして挙げてきた角が鋭い、

1/4インチネジ穴が無い

Iブラケットももちろんそうですが、L型プレートやアルカスイスプレートなんかはアルカスイス互換の雲台に取り付けられるようになっています。

その為、雲台側がこのようなクイックリリースの機構がなく、1/4インチネジが飛び出ているだけのような雲台、三脚を使う場面がないこともないです。

多くのプレートは1/4インチネジで取り付けられるように穴が空いていてネジ山が付いていますが、このIブラケットにはそういった穴がないんです。

となるとそういうネジで固定しないといけない雲台の場合、Iブラケットをわざわざ外さないといけないんですね。

これが微妙に面倒です。

まとめ

三脚で縦位置撮影する機会が多い方は検討してみてはいかがでしょうか。

現在は改良型のIブラケット Rの購入がオススメです。

それでは今日はこのあたりで。