PBP2027を完走する技術

こんにちは、shuheiです。

 

2027年8月に最古の自転車イベントであるパリブレストパリの第21回大会、Paris Brest Paris Randonneur 2027、通称PBP2027が開催されます。

約1,200kmを90時間以内で走破するという一見シンプルなイベントで、一部のロードバイク乗りは「いつかはPBP」と夢見るまさに大舞台。

 

遠いフランスの地で1,200kmを走破する為の技術をここにまとめます。

 

それでは本日もよろしくお願いします。

自転車で100km走れますか?

この記事は以下のような人を対象にして書きました。

  • 自転車で1日100km走ったことがある
  • PBPを時間内に完走したいと思っている

たったこれだけです。

100km走ったことないですか?じゃあ次の天気の良い週末に走ってきてください。

時間かかってもいいです。平坦だけでいいです。1時間ごとに休憩してもいい。とにかく100kmです。

走れましたか?おめでとうございます。あなたはPBPを完走する為の最大の関門を突破しました!

 

僕もPBPを目指した時、同じような状態でした。

富士ヒルブロンズ?いりません

巡航速度40km/h?いりません

最新のエアロロード?いりません

自分で0から用意しなくてはならないものは自転車で100km走った実績とPBPを完走したいという意思だけです(渡航費やお盆明けに10日近く追加で休みを作る胆力はまたちょっと別)。

PBPとは

改めてPBPについて。

PBP、パリブレストパリとは4年に1度開催される自転車史上最古のイベント。あのツールドフランスよりも歴史が古いんです。

フランスにあるAudax Club Parisien(ACP)が主催するブルベというイベントの中でも最高峰の一大イベントです。

パリ郊外を出発し、ブレストという街で折り返しまたパリ郊外に戻ってくるおよそ1,200kmを90時間という制限時間で走破すると完走証明が貰えます。

世界各国から約6,000人が参加し、日本からも400人前後が出走します。

例年8月第3週日曜から5日後の木曜日まで開催され、沿道となる街はそれはそれは盛大なお祭りとなります。

 

4年に一度開催され、前回は2023年。

次回は2027年となることは決まっていますが正確なコース、ルール、規定はまだ案内されていません。

従って本記事は2023年までの慣例を元に記載しているので、随時ルールの告知や変更があった場合は可能な限り記事の差し替えを行います。

 

一番情報が速く正確なのはPBP2027公式Facebookなので、こちらを参考にするようにお願いします。

PBP参加資格

そんな特別なブルベ、PBPには参加資格があります。

それは、2027年度開催のブルベ200km、300km、400km、600kmのブルベを各1回ずつ完走していること。

一般にSuper Randonneur(通称SRといい、SRメダルが貰える)という称号がちょうどこの4種のブルベに1年間(その年の1月1日から12月31日まで)に出走し完走すると得られるので2027年のSRがPBP参加資格と言われています。

 

厳密には少し違っていて、PBP参加資格は200kmは300、400、600、1,000kmのブルベ、400kmは600、1,000kmのブルベなど、より長い距離のブルベ完走で代替できます。

なので1,000km4本走って(6月までに出場できるBRM1000は4本もない気がするけど)それぞれ200、300、400、600に代替することでPBP参加資格となるのですが、前述のSRメダルは貰えません。

ブルベに参加する

では改めてブルベに参加しましょう。

距離によって制限時間が違いますが、平均速度15km/hで計算されています。

  • 200km…13.5時間
  • 300km…20時間
  • 400km…27時間
  • 600km…40時間

まず最初の目標は2026年のうちに600kmのブルベを完走することですが、当然いきなりは難しいと思いますので200kmのブルベから参加しましょう。

2026年にBRM600を完走する理由は後の仮エントリーに関係してきます。

 

ブルベ自体の参加資格は参加時満20歳であることと、対人補償1億円以上の自転車保険に加入していることです。

自転車保険は通常の自転車保険で問題ありません。

ブルベは競技、レースではない為特別なスポーツ保険は不要です。

 

ブルベは日本各地で様々な団体が開催していますので、お住まいに合わせて参加しやすい団体のブルベの参加を考えてみましょう。

主要都市の団体をリストアップしておきます。

以下のAudax Japanの公式サイトに詳しく掲載されているのでこちらも合わせてご覧ください。

www.audax-japan.org

どの団体も例年1〜4月までと11〜12月に200kmのブルベが開催されることが多いです。

だいたい1〜2ヶ月前からエントリー期間が始まって、人気のあるブルベだったりPBPイヤーだと1〜2日でエントリー枠が埋まってしまうので早めに参加ブルベの目処を立てておくと良いと思います。

 

初心者の参加ブルベの目星の付け方は累積標高が走行距離の1%未満になっていること。0.5%未満が理想です。

つまり、200kmなら累積標高2,000m未満600kmなら累積標高6,000m未満です。

一方で完全ド平坦のブルベよりは少しアップダウンがあるブルベの方が個人的には楽に感じることがあります。

平坦は登りのように心拍数を上げて呼吸を乱すこともあまりありませんが3〜4時間連続で自分の足でペダルを回さなくてはなりません。また風向きの問題もありますし、信号が多かったり、河川敷のサイクリングロードのように変わり映えのない風景が100km以上続くこともあり精神的にもキツかったりします。

ほとんどのブルベはスタートとゴールがほぼ同じ場所なので獲得標高は0mになります。

つまり登りがあるということは同じ距離だけ下りがあります。長くなだらかな下りが20〜30km続くとそれだけで30分くらいペダリングを休憩しながら進めるのでお得です。

このあたりはバランス次第だし脚質や性格にもよるかなと思います。

 

参加費は距離によりますがだいたい1,000〜2,500円程度です。

エントリーは各団体のホームページで行います。

ほとんどの団体がスポーツエントリーのような一般の参加型スポーツ大会へのエントリーができるサービスを利用しています。

エントリー時には名前性別年齢住所の他、緊急連絡先や自転車保険の保険番号の記載が求められることが多いので、事前に用意しておきましょう。

600kmを走る

200kmが走れたら順当に300、400kmと距離を重ねたいところですが、400kmだけはちょっと待ってください。

実は最難関は400kmなんです。なので300kmは走ったとしても400に行く前に600kmを走った方が個人的にはオススメです。

そして何より2026年に600kmを走ることは大きな意味があります。

何故400kmは難しいのか

前述した通り400kmの制限時間は27時間。

人間これだけ走ると当然睡眠を取りたくなるのですが、5〜6時間まとまった時間を寝ようとすると、バッファを含めると20時間くらいでゴールしたいところですが、これだけ速く走れる人は寝ずに走り切った方が睡眠前後のロスが少なそうですよね。

逆に24時間以上掛けて走るビギナーにしてみたら1〜2時間の仮眠しかできないのであまり余裕がありません。

つまり400kmはオールナイトで走ることになりがちな為、200から600までのブルベの中で最もマネジメント力とフィジカルが求められます。

しかしその分PBPのトレーニングとしては非常にうってつけです。こちらはトレーニングの項目で後述します。

600kmで得られるもの

2026年に600kmを走ること。もちろん1泊以上のオーバーナイトのブルベを経験するできることも重要ですが、PBPのエントリーに優先権を得る為に完走しておく必要があります。

 

では仮エントリーの項目で説明します。

仮エントリーをする

www.audax-club-parisien.com

2027年PBPイヤーの1月から仮エントリーが始まります。

この仮エントリーをプレレジストリプレレジと呼んだりします。

プレレジストリAudax Club Parisienの公式サイトで行うのでプレレジストリが始まったらまずはアカウントを作成しましょう。言語はフランス語と英語が選べますが、分かりにくいところは翻訳しながら見ればギリギリ分かります。

また2026年度に走った最長のブルベの認定番号をAudax Japanのデータベースで探しておきましょう。

いざ自分の仮エントリーの時にあたふたしながら探すことになると時間がもったいないし入力ミスでやり直している最中に枠が埋まっては目も当てられません。

 

また、この段階で事前入金があります。

入金方法はPayPal(not PayPay)なので、まだアカウント登録やクレジットカード登録が済んでいないようなら先にやってしまいましょう。

事前入金は年によって違うようですが、2023年は50ユーロでした。この50ユーロは本エントリーの代金に当てられますが、キャンセルしても返金はありません。

 

プレレジストリではPBPの出場資格を正式に得る前(SR取得前)に仮でエントリーをします。

この仮エントリーでは出場カテゴリー、出走時間の申告をすることができるのですが、全員が一斉にエントリーできる訳ではありません。

2026年度に走った最も長い距離のブルベ順にエントリーができます。

2026年に1000kmのブルベを完走した人たちが1月中ば、600km完走者が1月末、400km完走者が2月と言った具合です。

2023年の時は最終的に前年度ブルベ未参加でも出走枠がありましたが、PBPにはエントリー上限があり、かつ各出走時間にも枠上限があるので、人気の出走時間はすぐに埋まってしまいます。

 

制限時間90時間のカテゴリーは最も早い出走時間が17時。そこから15分刻みでグループ分けがされますが、やはり早い時間が非常に人気です。

2023年、僕は600km完走者として2番目の優先権を持っていましたが、プレレジストリの時点で17時台、18時台は満枠だったと記憶しています。

 

前述のとおり、前年度未参加の方も参加できる枠自体はありましたが、なるべく早い時間に出走した方が1日目元気に走れる距離が伸びるので初心者にはオススメです。

ただ、遅い時間帯の21時出走だと、後のコントロールポイントで混み合わないので、食事も落ち着いて摂れるという話も聞いたことがあります。

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SRを取る

ここからが本番です。

200km、300km、400km、600kmのブルベをひとつずつ完走しましょう。

例年1〜3月頃までに200kmと300km、4〜5月で400kmと600kmが開催される事が多いです。

通常年だと12月までSRを取得する猶予がありますがPBPイヤーだと遅くとも6月までには、余裕を持つなら5月のGW明けくらいまでにはSRを取れるように計画しておいた方が良いです。

ブルベの各クラブもその辺の事情はよく分かっているのでPBPイヤーは早めにSRが取れるように比較的優しい400kmや600kmのブルベを開催してくれます。

天候のことも考慮して2月くらいからは毎週末ブルベに参加できるように調整しておくと安心です。

本エントリーをする

5月後半になるととうとう本エントリーができます。本レジストリと言います。

ここではプレレジストリの時に支払った50ユーロに追加でエントリーフィーの140ユーロを支払います。

この140ユーロには出走料の他、公式反射ベスト、記念ボトルの他、表面にParis裏面にBrestと書かれた道案内用の標識が含まれます。

また、公式サイクルジャージと大会終了後に届く冊子も追加で発注できます。

スタートとゴールで食事ができるミールチケットの購入もこのタイミングでできます。

 

本エントリーでは200km、300km、400km、600kmに相当する完走ブルベの認定番号を最低3つ以上入力すると改めてPayPalによる入金が可能になります。

この時点で4つ全部入れてもいいですし、後ほど7月末までに最後の1つを入れれば出走できるようになります。

 

入金が完了するとステータスが登録済み(registered)になるのですが、有効(Validated)になるまでなかなかヤキモキします。

だいたい2週間くらいで本レジストリ完了し、前日受付の引換用紙のPDFへのアクセスメールが届きます。

ブルベトレーニン

実はこの時点であなたはPBPを完走する実力は付いています。おめでとうございます!

でもPBPの日本人完走率は50〜60%程度

多めに見積もると2人に1人はDNF、もしくは認定外完走となっています。

 

まずは400kmのブルベに慣れましょう。

PBPを走る以上必ず眠気と戦う時間があるので、400kmで睡眠のコントロールやいつどんな状態で眠たくなるのかを学ぶ必要があります。

そしてそれらは千差万別で人それぞれ対処法や眠気の出方が異なります。

自分に合った睡眠コントロールを身につける為にも400kmのブルベをたくさん走ってください。

 

当然コース次第ですがひとつの目安として400kmブルベで24時間を切ること、理想は22時間台で完走できることを目指してください。PBPの完走率がグッと上がります。

 

ブルベに出ない週末は平坦でいいので毎週100km走ることを目標にしてみてください。

劇的な走力アップには繋がりにくいですが、体力の維持にはとても効果的でした。

全然早く走る必要はありませんが、最終目標は無補給5時間で100km走れるようになることです。

 

僕はPBP出走直前の400kmブルベでは22時間台で完走していました。

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硬水について

ヨーロッパは日本の軟水と違い、ミネラルが強めの硬水です。

国内で手に入るEvianあたりで試してみるといいと思います。たまにお腹が緩くなったりする方が出てくるので、7月くらいから常飲して体を慣らしておくといいかもしれません。

味に関しては折り合いをつけましょう。

渡航準備

合わせて渡航準備も進めなくてはなりません。

パスポートを持っていない方は今すぐ申請を進めてください。

また各種予約も進めていきます。

ツアーの場合

www.swan-japan.co.jp

例年スワンインターナショナルがPBPツアーの催行をしてくれます。

海外旅行に慣れていない方はこちらに申し込むといいと思います。

2023年の時は個人手配と比べておよそ10〜15万円くらいの追加で参加できたようです。

このツアーは日本からフランスまでの渡航、空港からホテルの送迎、ホテルの手配、ドロップバッグなどあらゆる事を代行してくれ、フランスに着いてからもガイドさんに案内してもらいながらPBPに参加できます。

ツアー参加者も全員PBP参加者なので情報交換や交友の場としてもとても有用だと思います。

個人手配の場合

渡航、移動、宿泊を個人手配します。

1月のプレレジストリが済み次第、日本からフランスシャルル・ド・ゴール空港までの往復航空券を手配しましょう。

出走日の2〜3日前に入国できるように手配します。

この時直行便と乗継便で価格が倍近く変わるのでかなり悩むのですが、個人的にはどうしても完走したいなら移動時間の短縮と余計な心配事を減らす意味でも直行便をオススメします。

 

また、自転車の預け入れに関して事前に航空会社に相談連絡をしておくとトラブルが少なくなります。

ANAだと特に事前申請なくても規定サイズ以下であれば通常の預け入れとして扱ってくれるのですが、出走者の出国日時はだいたい重なるので、羽田空港ではちょっとしたパニックになっていました。

自転車だけ次の便で送るかも、というグランドスタッフの声を聞くこともありました。

 

次にホテルの手配ですが、スタートのあるランブイエという街にはほとんどホテルがありません。

幸いN線という鉄道駅があるのでこのN線沿いの駅がある街を宿泊地にするといいと思います。

オススメはサン・カンタン・アン・イヴリーヌという街かトラップという街です。

どちらもPBP宿泊地の激戦区なので早めに抑えましょう。

宿泊日数はパターンが3つあります。

パターンA:渡仏中全日程予約する

一番楽なパターン。PBP中荷物を部屋に置いておいたり、DNFした際に戻る部屋として連泊します。

パターンB:出走翌日まで連泊とゴールから出国まで連泊

出走中は宿を抑えないパターン。荷物はホテルで預かって貰えたりするので予約の時にメールで聞いてみましょう。先程紹介した街のPBP認知度はかなり高いので大部屋にまとめときますね的に預かって貰えます。

チェックアウトを出走翌日にしてるのは出走時間が夕方で、それまで部屋で仮眠を取る為。

パターンC:出走当日まで連泊とゴールから出国まで連泊

パターンBの亜種。出走当日はスタートにある仮眠所でギリギリまで寝られる、らしい。

どれくらいベッド(コット)に空きがあるのか分からないのでちょっと賭けかも。

空港からホテルまでの移動

ホテルの予約ができたら空港からの移動手段を確保しましょう。

鉄道の場合

シャルル・ド・ゴール空港からモンパルナスまで、モンパルナスからサン・カンタン・アン・イブリーヌまで鉄道が走っているので、電車移動ができます。

ですが、毎年この移動中にモンパルナスでスリや置き引きに合い全財産を失う人が出ます。

パリは軽犯罪に巻き込まれやすい街。

不慣れな海外にも関わらずこちらは巨大なバイクケースと通常の渡航荷物。10時間を超える移動に時差ボケ。しかもモンパルナスはあまりバリアフリーになっておらず、段差や階段が至る所にあってヘトヘトの状態でスリに狙われたら対応できるはずもありません。

そこでほとんどの方はタクシーを手配します。

タクシーの場合

シャルル・ド・ゴール空港からホテルまでタクシーで移動しますが、こちらは超大荷物。セダンタイプの普通のタクシーでは荷物が乗り切らないので、事前にミニバンタイプのタクシーを予約しておきます。

予約にはUberやbooking.comで8人乗りなどの指定をして予約するといいでしょう。

ただ、フランスのタクシーは全然予約時間に来てくれないし予約した場所にも来てくれません。

連絡手段もWhat's Appだけだったりして運転中はなかなか連絡取れないのでめちゃくちゃ余裕を持っておきましょう。

僕は渡仏中4回くらいタクシーに乗りましたが、普通に2〜3時間遅れて来られたり、全然違うホテルに連れて行かれたり散々でした。

でも、スリに合うよりはマシかな……。

ドロップバッグの手配

いくつか選択肢がありますが、日本人の多くが利用しているのが先ほどのスワンインターナショナルのドロップバッグサービス。

ツアープランの中で「ドロップバッグのみ」プランがあるので、早めに申し込みましょう。

合わせて規定のバッグのサイズがありますので、持っていなければバッグの用意もします。

 

このドロップバッグは往路復路両方で立ち寄るルデアックというコントロールに持って行って貰えます。

着替えや消耗品、スペアのチューブなどを入れておきましょう。

飛行機輪行をする

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飛行機輪行用にバイクケースを準備しましょう。

PBPイヤーは一時的に在庫切れになったりするので、こちらもなるべくなら早い段階で用意します。

人気なのはソフトケースのオーストリッチOS-500、プラダンボールのバイクポーター、プロ選手も遠征で使用するシーコンあたり。

ostrich-az.com

中でもOS-500はやはり沢山見ました。

安さもありますが、保管時コンパクトになることと比較的軽量な事が人気の理由のようです。

 

自転車のサイズにもよりますが、基本的にペダルとシートポストを外してパッキングします。ケースによってはハンドルもステムから外す必要があるので、ペダルレンチやアーレンキー、ついでにフロアポンプも入れられるようなら入れておくと安心です。

その他ウェアやヘルメットも同梱しておいてもいいと思います。

 

そしてDi2を装備している場合はシートポスト等に内蔵されているバッテリーを外して機内持ち込みにしましょう。

リチウムイオンバッテリーは預け荷物には入れられません

 

よくある飛行機輪行トラブルはリアディレイラーとフロントチェーンリングの破損です。

可能ならリアディレイラーは外して、チェーンリングはダンボールや緩衝材で養生しておくといくらか安心できます。

毎年数名、輪行時の機材トラブルに見舞われる方がいますが、パリ近郊やスタートのランブイエにもいくつか自転車店があるので、駆け込みで修理してもらうことは可能です。

また海外旅行保険に加入していれば、後に請求することで保険金が支払われるので海外旅行保険には加入しておきましょう。

海外旅行保険

通常の海外旅行であればクレジットカード付帯のものでも十分だったりしますが、今回はサイクリングが主目的になるので、少し補償額の高い海外旅行保険に加入しておきましょう。

価格ドットコムで海外旅行保険を検索すれば出てきますが、以下をポイントに選ぶと良いと思います。

  • 個人賠償1億円以上
  • 治療救援費5000万円以上
  • 携行品損害10万円以上

印刷物

以上の予約完了時に送られてくるメールや証明書、そしてパスポートなどを全て印刷して持っておきましょう。

無理に翻訳する必要はありませんが、可能な限りフランス語の状態、英語の状態のものがあると旅先でトラブルになりにくいです。

ついでに、自転車のチェーンにつけるチェーンルブの安全データシート(SDS)も印刷して持っておきましょう。

航空機の持ち込み時に可燃性でないことの証明に必要なケースがあります。

旅行計画を立てる

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ここまでで大体の旅程は決まっていると思いますが、改めて行程を整理しておきましょう。

出走前日の受付や、当日のドロップバッグ預け入れ、ゴール後のドロップバッグの受け取り、あとは観光をするのならそのプランなど、この辺りは普通の海外旅行と同じノリで計画を立てておきます。

パリは美術館も多いし、観光名所も多いので、考えるだけで楽しい!

走行計画を立てる

PBP中の走行計画を立てましょう。

このあたりは国内ブルベでもいくらか訓練をしておくと、だいたい自分がどれくらいの速度で走れるのかや、疲れた時にどうなるのか、登坂が多い区間の立ち回りなどがわかってくると思います。

ただ、PBPは国内ブルベと大きく違う点があります。

信号がない

PBPのルート上はほとんど信号がありません。交差点の多くはラウンドアバウトで進みます。

その為、国内ブルベの都市部でおきがちな信号峠がないので走行区間中のグロス速度は平気で25km/hを越えたりします。

なんだじゃあ余裕じゃんと侮るなかれ。

コントロールの滞在時間が長い

国内ブルベのコントロールはほとんどがコンビニのレシートチェックです。

その為、補給も兼ねて買い物をすると思いますが、本当に急いでる時なんかは5分程度で再出発します。

ですがPBPは最低でも40分、通常は60〜90分程滞在することになります。

信号峠がなくコツコツ稼いだ貯金はほぼ全てコントロールで使い果たすことになります。

無限に続くアップダウン

走行ルート1,200km中1,000kmがアップもしくはダウンです。

そうは言ってもほとんどが100〜300m程度、斜度5%未満の坂道で、国内ブルベで出てくるような峠越えはありません。

時々10%を超えるようなこともありますが、非常に稀です。

このことを考慮して走行計画を立てると良いかなと思います。

 

一つの目安ですが、2023年のコースで往路ルデアックまでを24時間以内、折り返しブレストまでを40時間以内で走ることができれば、完走の可能性がグッと高くなります。

ただ2027年のコースに関しては現時点で不明です。

コンビニや自動販売機がない

国内ブルベのように、24時間営業のコンビニや飲み物の自動販売機はコース上にはありません。

その為補給もそうですが、お手洗いもちょっと大変です。

基本的にはコントロールで済ませることになりますが、沿道には私設エイドがたくさん出ています。もうお祭りなので。

夜中でも待っていてくれる人がたくさんいたりして、水ぐらいなら割と簡単に入手できます。

街のレストランが有志で出店を用意してくれていたりして、一見コントロールと見間違えるようなエイドもあります。

無償でイチゴを配ってくれている方もいたり、本当にさまざまですが僕たち出走者にとって心強い存在です。

ウェアを選ぶ

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PBPのコースとなるモルターニュ地方は日本よりも緯度が高く、大体北海道稚内と同じくらいの北緯になります。

つまり、8月といえど日本と比べると非常に寒くなります。

2023年も早朝は10℃程度まで下がります。

年々温暖化が進んでいるので2027年がどうなるかはわかりませんが、だいたい関東圏のゴールデンウィークの頃の気候だと思っておけば良いかなと思います。

ただ、日中は30℃を超えるような日も度々重なるので、ウェア選びはとても難しいです。

ドロップバッグに夏用と秋冬用のウェアを両方入れておくと、その時の気候で選択できて便利です。

 

サイクルジャージについてはPBP公式のものではなく、日本のブルベクラブジャージか、Audax Japanが毎年PBP記念に販売するジャージを着ておくと良いです。

走行中日本人だと気づいてもらいやすいので、特に眠気が強くなる夜間や早朝に同じ日本人から声をかけてもらいやすくなります。

特にPBP公式ジャージはどの国の方もみんな着ているのでゼッケンプレートの国旗を見ないとどの国の方か判断できないです。

ちなみに外国の方から英語で声かけてもらうこともあります。

普段コミュ障でもなぜか海外旅行中やブルベ中だと気さくにコミュニケーションが取れるのすごい不思議です。

装備を選ぶ

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基本的には日本の400km以上のブルベと同じ装備で問題ありませんが、いくつかフランス特有のルールというか、国内ブルベと異なる点があります。

ライト点滅は絶対禁止

フロントライト、リアライト共に点滅は禁止です。

日中は点滅にしている人も多いと思いますが、フランスの道交法で禁止されているそうです。

ヘルメットライトの不要

国内だと400kmからヘルメットの後頭部に小さい赤いライトをつけるルールがありますが、PBPにはそのような規定はありません。

軽量とはいえ首が痛む原因になるので外したほうが無難です。

日中の反射ベストの不要

読んで字の如く、日中は反射ベストを脱いで走ることを許されています(霧や強い雨など視界が悪い場合は要着用)。

近年の温暖化で日中は30℃を超えるし、空気抵抗の原因にもなるので日中は脱いでしまったほうがいいでしょう。

ゼッケンプレートをつける

前日受付でもらえるゼッケンプレートを出走までにフロントとサイドにつけましょう。

タイラップも確か一緒にもらえたような気がしますが、不安なので日本から持ち込むといいと思います。

ちなみにタイラップを切る為の刃物がなかったので僕はホテルでハサミを借りましたが、爪切りや小型のハサミがツールボックスにあると便利です。

というかタイラップは常にサドルバッグなどに入ってるといいですね。急に何か外れたり壊れたりした時の応急で固定するのに役立ちます。

まとめ

100km走れるようになったところからPBPを完走するまでにやらなければならないことをざっと列挙しました。

ですが、この記事で言及しきれていないこともたくさんあるので、ぜひ色々と研究してみてください。

PBPは日本で一番参加者の多いブルベです。

その分情報もたくさんあって、本やブログ、YouTubeなどで情報収集がたくさんできます。

 

よろしければ僕の走行記や総評記事も参考になさってください。

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僕もブルベを始めた頃は200kmを何度も失敗するような走力しかありませんでした。

SRを初めて取得した時も400kmは25時間を越えていましたし、PBPで初めて1000km以上、3日以上のブルベを経験しました。

辛かったブルベもたくさんあったし、DNFしたブルベもたくさんありました。

完走しても思ったようなペースで走れなかった時は非常に陰鬱な気持ちになることもありましたが、PBPがスタートしてから90時間、ただの一度も辞めたいとか帰りたいとか思うことはありませんでした

1,200kmがずっと楽しい。90時間がずっと楽しい。

楽しくないわけないじゃん、夢の舞台だもの

 

ぜひ2027年それを味わっていただきたく、僕がたまたま得られた経験と知識をお分けできたらなと記事にしました。

よき旅路を祈っています。

 

それでは今日はこのあたりで。