LANコンセントをDIYする技術

こんにちは、shuheiです。

 

前回、LANケーブルを自作する記事を投稿しました。

camelog.com

今回はその続きとして、PF管を使った壁内のLANケーブル通線と、LANコンセント取り付けをDIYで実施する方法をまとめます。

 

壁の中にLANケーブルを隠蔽配線することで、ルーターからパソコン、ゲーム機、NAS、テレビなどの端末に接続するために室内の隅にケーブルを這わせる必要がなくなり、見た目スッキリスマートに接続できるようになります。

 

それでは本日もよろしくお願いします。

LANのカテゴリーについて

前回の記事でも取り上げましたが、簡単にLANケーブルの規格であるカテゴリーについておさらいします。

カテゴリー 最大通信速度 伝送帯域 主な用途
Cat5 1Gbps 100MHz 一般家庭(ほぼ見かけない)
Cat5e 1Gbps 100MHz 一般家庭(主流)
Cat6 1Gbps 250MHz 一般家庭(主流)
Cat6A 10Gbps 500MHz 一般家庭(高速通信)
Cat7 10Gbps 600MHz 業務
Cat7A 10Gbps 1,000MHz 業務
Cat8 40Gbps 2,000MHz データセンター

壁内配線は一度やってしまうと後からやり直すのがとても面倒なので、将来を見越してなるべく上位の規格を選びたいです。

Wi-Fiによる無線LANがメインの接続方法となっている現状では実際ほとんどのケースでCat5eを選択しておけば不足に感じることはないと思いますが、10Gbps対応可能なCat6Aを選択することにしました。

必要な工具

通線ワイヤー

PF管にLANケーブルを通すための必須アイテムです。

細いスチールワイヤーで、先端はボールが転がるようになっています。

管の中にこの通線ワイヤーを通し、ケーブルを引っ張り込むためのガイドとして使用します。

我が家の場合は20mで購入しましたが、通す区間によってはギリギリになりました。

心配な場合は30mや50mのものを購入しておきましょう。

PF管を通した工務店に長さを聞いてそれに合わせるのもアリだと思います。

ニッパー

芯線の切り落としやタイラップのカットに使います。

LANケーブル自作記事での紹介しましたが、普通のニッパーで問題ありません。

LANテスター

完成したLANコンセントの疎通確認に使います。

テスターはRJ45プラグが挿さるようになっているので、LANコンセントの両端に通船確認済みの普通のLANケーブルを差し込み、テスターに繋ぎ1〜8番のLEDが正しく点灯することを確認します。

皮剥き工具

こちらもLANケーブルの自作の際に使用した芯線を露出させるために外皮を剥く工具です。

自作キット

ニッパー、LANテスター、皮剥き工具、そして今回は使用しませんがかしめ工具が一式揃ったLANケーブル自作キットが発売されているので、そちらを購入するのもおすすめです。

LANケーブル自体の作成にも必要になるので、LANコンセントをDIYするくらいなら一緒に買ってLANケーブルもDIYで作ってしまいましょう。

Cat6Aキーストーンジャック

今回のメインアイテムです。

LANコンセントを作るための部品で、ケーブルの芯線を端子に挟み込むことで接続できるタイプのものを購入しました。

両端の分が必要になるので、偶数個用意しましょう。

僕は全部で12個購入しました。

事前準備

とここまでLANケーブルを壁内配線することを当然のように決めつけてきましたが、事前に準備が必要です。

PF管を配管しておく

PF管(Plastic Flexible Conduit)とは壁の中に配管するための合成樹脂製の電線管のことです。

似たようなものにCD管(Combined Duct)というものがありますが、こちらも同様に配線目的で使用される電線管なのですが、コンクリートに埋め込む前提のため、RC造のマンションなどで使用され、木造の戸建てではPF管が使われます。

 

いずれにせよ電線管がないとLANケーブルも通線ワイヤーも非常に取り回しがしにくくなります。

特に部屋から部屋への配管は梁や下地を避けながら通線しないといけないので、PF管が通っていないとほぼ絶望的。

屋根裏とかから通すみたいなことはできるんだろうか……。

少なくとも僕のDIYの限界は超えています。

あらかじめ施工会社にPF管の配管は実施しておいてもらいましょう。

 

マンションの場合だとあらかじめ空配線されていることがあります。

電話やインターネットのモジュラージャックがあるコンセントボックスから配線されていることが多いようなので確認してみましょう。

配線計画を立てる

新築マンションのようにあらかじめ空配線されているのでなければ自分で施工会社に依頼してPF管を配線してもらいましょう。

その際に、インターネット回線の引き込み口を決め、そこからどの部屋にどのように配線するか決めましょう。

引き込み口付近にはONUやルーター、スイッチングハブが設置できるような場所が好ましいので、部屋の隅やクローゼットの上が選択肢としてあがります。

その場合、近くに電源も取れるように電源コンセントも設置を忘れないようにしてください。

設置されるネットワーク機器の数次第ですが、4口では足りない場合があります。

PF管にLANケーブルを通す

事前に空配管されていればあとはLANケーブルを通します。

このときいくつか両端で同様の作業が必要になるのですが、ONUやメインルーターが置かれる中央側と、そこから配線される終端側とで、作業難易度が変わることがあります。

以降の説明では中央側終端側と表現して説明します。

中央側はいろんな部屋にLANケーブルを通すことになるのでコンセントボックスの中が混線しやすくケーブルの長さがシビアになりがちですが、逆に終端側は複数本のLANケーブルが混線することが少ないので、コンセントボックスないがある程度余裕ある場合が多いためです。

1. コンセントカバーを外す

PF管の出入り口となるコンセントカバーを外します。

爪で引っかかっているだけなので少し強めに引っ張って開けましょう。

もし爪が割れたり壊れてしまってもそんなに高くないので思い切ってやってみましょう。

 

コンセントカバーが外れたらプラスドライバーでコンセントボックスを露出させます。

するとオレンジ色のPF管が見えてきます。

 

ケーブルを通すので両端のコンセントカバーを外すのですが、中央側はどのPF管がどの部屋につながっているかわからないので、終端側からケーブルを入れるようにしましょう。

中央側からワイヤーを入れるとワイヤーが出たかどうか全ての終端側を確認しに行くことになり、作業が手間取るためです。

2. 通線ワイヤーを入れる

露出したPF管に通線ワイヤーを押し込んでいきます。

ゆっくりと押し込むと進めやすいです。途中引っかかってしまったら少し戻すなどして無理に押し通そうとしないように気をつけてください。

PF管は中でカーブしていることも多いので、ゆっくり時間をかけて通すようにします。

3. 反対側からワイヤーが出てくるのを確認する

反対側のPF管から通線ワイヤーが出てきたらひとまず成功です。

4. LANケーブルをテープで巻き付ける

PF管から出てきた通線ワイヤーに養生テープなどでLANケーブルを巻き付けます。

PF管の途中でLANケーブルが外れると面倒なのでしっかりと固定しましょう。

LANケーブルはRJ45プラグもキーストーンジャックも何もつける必要はありません。

5. 通線ワイヤーを引き戻す

ワイヤーをゆっくり引き戻すと、養生テープでくくりつけられたLANケーブルも一緒にPF管を通って、元の部屋まで通線されます。

あらかじめドラムロールからは必要な長さを出しておくとスムーズに通線できます。

本当は2人で作業するとやりやすいと思います。

6. LANケーブルが出てくるのを確認する

ワイヤーを引き終えるとPF管からLANケーブルが出てきます。

通線ワイヤーからテープを剥がしてしまいましょう。

LANケーブルは30cmほど余った状態にしておくと次の作業がやりやすくなります。

LANコンセントの作り方

LANケーブルが通ったら、いよいよLANコンセントを作ります。

Cat6A対応のキーストーンジャックとLANケーブルの芯線を繋ぎます。

 

前述した通り中央側のLANコンセントは各部屋からのLANケーブルが集まってくるため、コンセントボックス内に余裕がありません。

またCat6Aケーブルは太く固いので取り回しにくかったりするので、先に中央側を作ってから終端側をそれに合わせて調整する方が作業しやすいと思います。

1. 終端キャップをケーブルに通す

キーストーンジャックに付属している終端キャップを最初にLANケーブルに通しておきましょう。

PF管の奥に落とさないように気をつけてください。

1. 外皮を剥く

LANケーブルの先端から3〜4cm程度の外皮を皮剥き工具で剥きます。

芯線を傷つけないように少し外皮を残して外皮を引きちぎるくらいの感覚がちょうどよいと思います。

2. 十字フィラーを切り落とす

外皮を剥くとケール部の真ん中に樹脂製の十字フィラーが現れます。

ニッパーで切り落としましょう。

外皮の切断面のすぐ下でカットできると仕上がりが良くなり、ノイズにも強くなります。

4. 終端キャップの色に合わせて芯線を広げる

終端キャップを通し、撚られている状態でいいので、終端キャップに書かれている色に対応した芯線を広げます。

終端キャップにはどの溝に何色の芯線を落とせば良いか色見本が書かれています。

AとBと書かれていますが、Bの方の見本に合わせて溝に埋めていきましょう。

5. 余分な芯線を切り落とす

芯線を正しく溝に落とし込んだら余分な芯線をニッパーで切り落とします。

この時あまりギリギリにならないように少し飛び出るくらいで切りましょう。

6. 終端キャップをキーストーンジャック本体に取り付ける

芯線を収めた終端キャップをキーストーンジャック本体に差し込みます。

本体側とキャップ側に矢印が書かれていて、矢印が合うように差し込みます。向きを間違わないように気をつけてください。

7. 金属カバーを閉める

キーストーンジャック本体の金属カバーを閉じます。

カチっと音が鳴ってはまる感覚があれば正しく取り付けられています。

8. タイラップで本体とケーブルを固定する

LANケーブルとキーストーンジャック本体とをタイラップで固定します。

余分なタイラップはニッパーで切り落とします。

コンセントカバーの装着

コンセントボックスに余裕のない中央側からコンセントにつけていきます。

1. テスターで動作確認をする

まずは動作確認のためにテスターで疎通テストを実施します。

先述の通り、テスターは通常RJ45プラグが差さるようになっているので、LANコンセントに疎通確認済みのLANケーブルを差し、そのLANケーブルをテスターに繋いでテストしましょう。

きちんと疎通できていれば1〜8番までのLEDが左右で同じタイミングで光ります。

外皮を剥く時に芯線を傷つけてしまっていたり、終端キャップの溝にうまく芯線が挟まっていなかったり、キーストーンジャック本体を付けるときにやはり芯線が溝から抜けてしまったりすると疎通トラブルになります。

2. JISプレートにキーストーンジャックを差し込む

既に装着されているカバーを外します。

右側の溝にマイナスドライバーを差し込むと、爪が浮き外れます。

外れた箇所にキーストーンジャックを取り付けます。

左側に爪を引っ掛けてカチッと音が鳴るまではめ込めば完成です。

まとめ

以上、PF管を利用した壁内LANケーブル配線とLANコンセントの取り付けをDIYする方法についてまとめました。

もし将来Cat6AからCat7だったり、光ファイバーケーブルに差し替えたい場合も似たようなやり方で実施できると思います。

 

それでは今日はこのあたりで。